必須オメガ6系不飽和脂肪酸のアラキドン酸(ARA)市場が勢いを増している。原動力は乳児粉ミルクへの配合需要と、健康志向で高まるサプリメント・機能性食品の利用拡大だ。

ARAは脳や網膜の発達に欠かせない脂肪酸として世界的に認識され、粉ミルク各社が継続的に配合比率を高めている。学術データが早期児発育へのオメガ6系脂肪酸の有益性を裏付けることも追い風だ。

今や“ARA以外”を選択する消費者は少数派となり、認知機能・免疫・スポーツエネルギー向上を求める一般層向けにARAパウダーの個別購入が増えている。

次フェーズでは、二つのトレンドが進展する。ひとつはクリーンラベル志向による持続可能な発酵法ARAの台頭であり、Mortierella alpina を用いたマルチエレラ発酵によるARAが「植物由来」「高純度」として支持を広げている。ふたつめがARAの食品強化の範囲拡大だ。「カプセル・チュアブル以外」の新規デリバリーシステムが開発され、飲料・プロテイン・エナジーバーまでARAが展開する時代が近い。

今回の市場分析では、寧波イノファームケム株式会社が先端技術により高品質ARAを安定供給できる体制を整えていることが判明。同社はグローバルな健康・栄養ソリューションに向け、科学検証と製法革新を追求し続ける方針だ。