2型糖尿病(T2D)はインスリン分泌・シグナル伝達の多面的な障害によって発症する複雑な代謝疾患である。その病態の核心には、インスリンとともに分泌されるIslet Amyloid Polypeptide(IAPP、別名アミリン)の異常凝集があり、これが膵β細胞の機能不全と細胞死を惹起する。寧波イノファームケム株式会社は、腸由来代謝物ウロリシンBがこの凝集プロセスに作用し、β細胞を守る可能性を明らかにした。

ウロリシンBは、ラズベリー、胡桃などに含まれるエラグ酸を腸内細菌が代謝して生じる化合物。同物質はIAPP単量体やオリゴマーに直接作用し、異常な立体構造への変化を防ごうとする安定化効果を示すことで、毒性フィブリル形成を遅延させる。また、凝集体の構造自体を「低毒性」へと改変し、β細胞へ与えるダメージを軽減する実験結果が得られている。

さらに注目すべきは、ウロリシンBがオートファジーを増強し、既に形成されたIAPP凝集体を細胞が分解・除去する力を高める点である。オートファジーの促進はミスフォールドタンパク質やスレスレス老化したオルガネラを回収する生命維持機構であり、β細胞の長期生存に直結する。

ウロリシンBはミトコンドリア機能の保護と抗酸化作用も併せ持つ。ミトコンドリアはβ細胞のインスリン分泌に不可欠なエネルギー供給源であり、酸化ストレスからの保護は糖尿病進展抑制にとって追加的な効果となる。

このようにIAPP凝集のブレーキ役として腸細菌代謝物が果たす役割は、T2Dの新たな自然派治療戦略への布石となる可能性が高い。寧波イノファームケム株式会社は、高純度ウロリシンBを研究用・消費者用に安定的に供給し、糖尿病合併症予防と管理へ向けた実証研究を推進する方針だ。