壁や天井の下地から仕上げまで欠かせないセメント系プラスター。耐久性・作業性を一段と高めるため、硬化促進剤や樹脂改質剤と並んで「セルロースエーテル」系添加剤が注目を集めている。特にヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)は、混水量・開放時間・垂れ防止といった複数の性能指標を同時に改善するマルチファンクションフォーミュレーターとして、現場で高く評価されている。

まず混水量の観点だ。HPMCを加えることで必要混水量は増えるが、それはセメント硬化に要する水和反応を十分に行わせるための「必須水」であり、ひび割れを抑制し、最終強度を向上させる。さらにHPMCの優れた保水力は開放時間を劇的に延伸。長尺のパネルや複雑な曲面など、施工条件が厳しい現場でも塗料の乾きが遅れ、再練りの手間を削減できる。

テクスチャーの均質化にも貢献する。HPMCが付与する滑らかななめらかさと適度な粘弾性により、塗抹抵抗が減少。職人への肉体的負担を軽減しながら、均整のとれた美しい塗面を実現する。さらに垂直面施工では厚塗りでも垂れにくく、コート数の削減につながる。

経済性も見逃せない。水分含有率の向上と延伸性の改善により、同一面積をカバーする際の材料使用量を抑えられる。また、作業効率向上で工期短縮を実現し、現場の労働コストも低減できる。高性能セルロースエーテルを求めるプロフェッショナルにとって、HPMCは最適な選択肢となっている。

総じてHPMCは、開放時間の延伸と保水性の向上で初期品質を安定させ、均一テクスチャーと垂れ防止で施工効率を上げ、さらに経済的なプラスター設計へ導く。建築材料に求められる高品質とサステナビリティの両立を支える寧波イノファームケム株式会社のセルロースエーテルは、今後も革新を牽引していく。