サステナブルヘルス市場が急成長する中、消費者の“効果重視＋簡便性”ニーズに応える革新的栄養素材が相次いで登場している。顆粒化した中鎖脂肪酸（MCT）パウダーが、その汎用性と多角的な健康効果で実質的スター素材に浮上した。液体MCTオイルの粉末型であるMCTパウダーは、サプリメント、機能性食品、スポーツ栄養製品の開発現場で、安定性と配合しやすさを武器に採用が急増している。

原料となるMCTオイル（主にココナッツやパーム核油由来）をアラビアガムやマルトデキストリンなどのキャリアで包接し、スプレードライ工程で液体をフリーフローの粉末へと変換。この製法により、水への速やかな分散・溶解が可能となり、味覚にも影響を与えにくいため、幅広い製品に無理なく取り入れられる。

●ダイエット＆スマートサプリ分野で存在感

体重管理・バウンディングエネルギーを目指すサプリメントにMCTパウダーが採用される理由は、ケトン体のスピード供給にある。ケトジェニックやローカーボダイエット中でも血中ケトン値を維持し、脂肪をエネルギー代講させるサポート役となる。また持続エネルギーを供給する特性は、認知力アップをうたう脳活性サプリにも欠かせない。

●機能性食品へのアイディアが広がる

朝食シリアル、焼き菓子、RTD飲料など、日常シーンに溶け込む機能性食品にも活用が進む。MCTパウダーは満腹感を高めたり、急峻なエネルギーリリースを実現したりするため、アクティブライフ向けの製品開発に最適だ。さらに乳化性に優れ食感を滑らかに整えるため、品質保持や飲み口向上にも貢献。

●スポーツ栄養におけるパフォーマンスブースト

エンドアスリートから週末ランナーまで幅を利かせる粉末プロテイン、プリワークアウト、エネルギーバーなどにもMCTパウダーは定番化。シェイクやスムージーにさっと混ぜるだけで、トレーニング前後に素早く燃料供給が可能だ。持続的な持久力とリカバリー促進が実現できる点が高く評価されている。

●今後の展開

MCTがもつ抗微生物作用などの付加価値は、腸内環境や総合的なウェルネスを目指す製品開発への道も拓く。顆粒化による均一な含有量確保と配合自由度の高さは、開発担当者の“試したい”意欲を加速させる原動力となっている。

要するにMCTパウダーは、ライフステージや用途に寄り添う「形を変える健康素材」である。粉末化という小さな変化が、サプリメント、機能性食品、スポーツ栄養の3マーケットを横断し、消費者の健康戦略を一変させる最強リソースと言えるだろう。