ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)は、増粘・安定化剤として液体洗剤やパーソナルケア製品に広く使われるが、その性能を最大限に引き出すには分散工程の隅々まで理解しなければならない。寧波イノファームケム株式会社は、塊の発生を極限まで抑えた高品質なHPMCゲル化製品を実現するためのノウハウを公開した。

HPMCは水に直接投入すると表面が瞬時に水和し凝集しやすいため、まずは75℃以上の温水に粉体を投与する「加熱分散法」が基本となる。高温では溶解せずに膨潤するため、攪拌による渦の中心へ徐々に投入することで均一な湿潤が可能となり、きめ細かなスラリーが得られる。

一次分散後、室温ないし冷水を追加し、液温が25℃以下に下がるまで約30分間の撹拌を継続すると、HPMC分子の均一水合が完了し、均質かつ長期にわたり粘度が安定した溶液が仕上がる。この工程をおこたると未溶解の塊が残り、外観や使用感に悪影響を及ぼすことになる。

加熱設備が使えない場合や、取扱性を重視する業務用途では、“グリセリンやPEGなどの非溶媒”にHPMCをスラリー化する前処置が有効である。非溶媒層で粉体表面を被覆しておけば、水中投入時の塊化が防止され、よりスムーズな分散が可能だ。特に「HPMC 界面活性剤グレード」では、この方法が工程負荷軽減につながる。

植物由来の増粘剤へニーズが高まる現在、こうした分散テクニックを習得することで、洗剤やボディウォッシュなど幅広い製品に高い増粘性と透明性をたたき出すことができる。未溶解粒子のリスクを排除し、“良好な塊なしゲル”を実現すれば、最終製品の外観・長期安定性が格段に向上する。

寧波イノファームケム株式会社では「セルロースエーテル配合における分散条件」はグレードごとに異なる可能性があるため、各製品詳細データシートを必ず参照するよう推奨。上記の専門技術を踏まえることで、HPMC本来の性能とメリットを余すことなく製品化できるとしている。