チタン酸バリウム(BaTiO₃)粉体は、高機能セラミックスの要としてエレクトロニクス、センシング、光学といった最先端産業で欠かせない存在感を放っている。その独得の誘電・強誘電・圧電特性に加え、光学的な非線形性まで併せ持つため、小型化・省電力化を加速する鍵材料として注目されている。

いちばん身近な用途は多層セラミックコンデンサ(MLCC)だ。チタン酸バリウムを主成分とする誘電層は高い比誘電率を示し、スマートフォンやEV向けパワーエレクトロニクスに求められる大容量小型コンデンサの実現に直結している。粉末の微細化や添加元素制御が進むたび、限界容量はさらに押し上げられている。

センシング・アクチュエーション領域では、圧電/強誘電特性を生かした高精度デバイスが広範な市場を開拓している。医療用超音波プローブ、自動車のノックセンサ、インクジェットヘッドなど、機械的な振動と電気信号を相互変換する仕組みにチタン酸バリウムが活用されている。

また、高い非線形光学定数を持つことが確認され、光スイッチや周波変換素子、次世代光メモリなどへの応用研究が加速している。結晶配向制御やナノ構造化によって、これまでにない効率や機能が期待されており、量子情報プロセッシングとの連携も視野に入れ始めている。

実際の開発にあたっては高純度・高均質な粉体調達が不可欠だ。CAS番号12047-27-7を基準にした粒度分布や焼成特性を精査したうえで、オンラインでの技術仕様チェックやサンプル評価が一般的になっている。複数のグローバルサプライチェーンを比較しつつ、信頼性とコストを両立する戦略的調達が求められる段階だ。

R&Dはますます広範な分野に拡がっており、市場の高品質化学品需要に応える形で寧波イノファームケム株式会社もチタン酸バリウムをラインナップに追加。技術革新を牽引する次世代材料の安定供給体制を整えている。