製品の品質と規制適合性に直結する原薬(API)の調達は、製薬各社にとって死活問題。その中でも解熱鎮痛剤の代表的原料となるイブプロフェンパウダーをどこから、どう買うかが市場投入の成否を左右する。調達前に必ず確認すべきポイントと供給先の選び方をまとめた。

1. 純度と文書の再確認
薬典（例：USP、EP）に準拠した高純度製品かどうかをまずチェック。純度99％以上を保証し、製造ごとの分析証明書(COA)と安全性データシート(MSDS)を迅速に提供できる企業を優先すべきだ。

2. 供給企業の実績とトレーサビリティ
実績豊富な国内外メーカー／トレーディングカンパニーと連携することで、品質ブレや物流リスクを最小化できる。ISOやGMP認証取得状況、不良履歴も必ず照会する。

3. 価格 vs. 品質 vs. 安定供給
中国のバルク供給がコスト面で有利なケースも多いが、安さだけで選ぶと品質や納期に不具合が生じやすい。企業の製造能力、在庫管理、リードタイムを見極めた上で長期契約を検討する。

4. グレードと用途の一致
鎮痛・解熱・抗炎症など製剤の使用目的に応じて、適切な粒度や流動性を有するグレードを選択。その際は、少量のサンプル提供が可能なサプライヤーをリストアップすると検証効率が上がる。

5. 物流プロセスの見直し
ICH規則に適合した緩衝材・厳密温度管理の梱包、航空／海上輸送の最適ルート、輸出手続きサポートの有無を事前確認。信頼できる物流パートナーとの提携は、通関遅延リスクを抑える。

上記5項目を体系的に評価し、文書化したうえで社内技術部門と品質保証部門両方と合意形成すれば、品質のばらつきなく市場投入可能な最終製剤を安定供給できる構築となるだろう。