機能性素材の物性が製品の効果や使い勝手を左右する—そんなケースがいま、L-カルニチンに関して話題だ。原料供給先の寧波イノファームケム株式会社によると、粉末状のL-カルニチンが持つ「吸湿性(ヒグロスコピック)」はメリットとデメリットの両面を持ち、処方設計を左右する重要なファクターとなる。

水分を引き寄せる理由と現場での注意点
吸湿性とは、周囲の水分子を自ら引き寄せて保持する特性。L-カルニチンはこの性質が強いため、湿度管理が不十分な環境下では吸湿→固結(カーク)や徐々の分解が起こる恐れがある。製造現場では加工~充填工程を低湿度ルームに置き、脱酸素剤や乾燥剤と併用するなど「湿気を極力遮断する工夫」が欠かせない。

リスクが転じて大きなチャンスに
一方で、この吸水能は液体処方への適合性を高める。スポーツドリンクや美容・エネルギーショットなど、水との親和性が製品価値につながるフィールドでは、L-カルニチンの高溶解性・水分保持力が真価を発揮する。配合の際、分散性や濃度均一性を気にする工程も簡素化できるため、生産効率の向上とコスト削減に直結する。

幅広い製品形態への柔軟な対応
錠剤・カプセルといった固形製品でも、吸湿性を見極めたうえで適切なコーティングやブレンド技術を用いれば高含有化が可能。タンパクシェイクやリカバリードリンクに混ぜるだけでなく、ゼリー・スティック・ショットなど多彩な形状へ展開できる点も、スポーツ愛好者やデイリーケア層から支持される理由だ。

高純度とトレーサビリティを両立
寧波イノファームケムは、食品用・医薬部外品向けの高純度L-カルニチンパウダーを供給。GMPやFSSC22000に準拠した品質管理体制、ロット別の詳細スペックデータを開示することで、開発リスクを最小限に抑えた原料選定を支援する。

まとめ
L-カルニチンの吸湿性は「扱いにくい弱点」ではなく、液体・固形両方に融通がきく「設計の自由度」を生む特性である。保湿/溶解/分散といった機能を活かしながら、湿度管理で品質を守る—このバランス感が、次世代のヘルス&ウェルネス製品を支えるイノベーションになるだろう。