心身のつながりが分かってきた今、「脳内化学物質のバランスを整える成分」に注目が集まっている。N-アセチル-L-システイン(NAC)はその代表格で、グルタミン酸レベルの最適化を通じて、精神の安定や認知機能のサポートに新たな可能性を示している。

NACの最大の特徴は、脳内で最も重要的な興奮伝達物質であるグルタミン酸のバランスを整えることだ。学習や記憶、気分に深く関わるグルタミン酸は、酸化ストレスやグルタチオン減少によって乱れると、うつ病などの精神疾患リスクが高まる。ここでNACがグルタチオン合成の前駆体として働き、グルタミン酸の輸送と放出を調整することで脳内環境を整える。

この作用は特に双極性障害(躁うつ病)治療で実を結んでいる。複数の臨床試験で、NACの投与により気分の安定化や抑うつ症状の軽減が報告され、生活の質(QOL)が改善したデータもある。加えて、脳細胞を酸化ダメージから守る抗酸化作用も、気分の安定に重要な役割を果たしていると考えられる。

近年は依存症研究分野でもNACの応用が進められている。脳の報酬系に作用し、禁断症状や欲求を抑制することから、統合的治療の一環としての位置づけが期待されている。グルタチオンを補充し酸化ストレスを軽減する働きが、「離脱」「再燃」に対する心理的耐性を高めるのではないかと考えられている。

NAC精神医学研究はまだ途上にあるが、既存の結果からは「脳内伝達物質の調節」「抗酸化神経保護」の観点で、うつ、依存、気分障害といった幅広い分野への応用拡大が示唆される。研究・開発向けに高品質なNACを提供する寧波イノファームケム株式会社は、精神医療の革新に貢献すべく体制を整えている。