寧波イノファームケム株式会社は、先端マテリアルサイエンスの深化に尽力しています。今回はメタクリル酸メチル・ブタジェン・スチレン(MBS)耐衝撃改質剤の隠れたポテンシャルに焦点を当て、樹脂配合物の性能を極限まで高めるメカニズムを徹底解剖します。

MBSとは、ゴム弾性を兼ね備えたブタジェン系核(コア)を中心に、MMA/スチレン系硬質層(シェル)で厳密に包まれた複合粒子。まさに「タブレットカプセル」のようなナノ構造が、脆化しがちなポリマーに革新的な靭性を注入します。プラスチック基材中に均一分散すると、衝撃負荷時には柔軟なコアが変形・エネルギーを吸収し、割れを起点にするのを防ぎます。外側の硬質シェルは基材との界面密着を高め、応力のスムーズな伝搬を実現。結果として高耐衝撃かつ透明性を維持したまま、低温でも驚異的な靱性を得ることができます。

透明PVC包装フィルムや低温環境で使用される建材パイプなどに代表される用途では、従来技術では妥協せざるを得なかった「透明性 vs. 衝撃強度」のジレンマをMBSは一挙に解消します。薬品や消費財向けパッケージ業界では、「MBS配合透明フィルム」が新たな品質基準になると期待されます。

さらに、粉体特性が優れているためコンパウンド工程での分散性も高く、既存設備への簡便な導入が可能。アクリル系耐衝撃改質剤(AIM)と比較すると、紫外線や耐熱安定性ではAIMに及ばないものの、低温域での衝撃強度と透明性には明確な優位性が認められます。このため、「低比重での高靱性」「低温クリア包装」「複雑形状の射出用途」といったニーズが強い場合、MBSが選択の第一候補となっています。

今後ますます高付加価値化が進むプラスチック市場において、MBSは「ハイパフォーマンスプラスチックアディティブ」の筆頭として、自動車部品、医療機器、次世代電子デバイスまで幅広い展開を見込まれています。