高機能化が進む装飾板紙含浸工程では、各社が生産効率や品質、コストに直結する複数の課題に対峙している。その代表的な問題が「ホコリ発生」と「離型不良」だ。これらの頭痛の種を一挙に軽減するのが、専用化学添加剤である防じん剤と離型剤である。寧波イノファームケム株式会社は、現場のニーズを的確に捉えた統合型製剤を展開し、工程全体の最適化に貢献している。

防じん剤の役割は、乾燥ラインや取り扱い過程で生じる微粉を根こそぎ減らすこと。紙自体や樹脂フィルムの破砕が発塵源となるが、添加剤が表面強度を強化し摩擦を低減することで、フィニッシュ不良や作業環境悪化を未然に防ぐ。結果として、クレンアップ工数の削減と廃棄ロス抑制が同時に達成される。

離型の難易度も、高圧ホットプレスでの生産スピード向上を左右する重要ファクター。紙がプレスプレートにへばりつくと、破れや疵発生のリスクが高まる。離型剤はメタル表面に極薄の撥水性バリアを形成し、硬化後の瞬時・清潔な剥離を可能にする。これにより、金型の洗浄頻度が減り、稼働時間が大幅に延伸される。

さらに効果を最大化するのが「多機能一剤型」フォーミュラだ。防じん性能と離型性に加え、光沢向上ブロック防止を兼ね備えた4-in-1製剤を採用すれば、薤品在庫の一本化、配合手順の簡素化、スペース削減といった二次効果も期待できる。初期投資抑制を狙う中小現場にも、高コストパフォーマンスの選択肢として注目されている。

同社の開発スタイルは、現場に密着したカスタマイズだ。紙基材や用いるメラミン・フェノール樹脂の相性を詳細に解析し、それぞれに最適な処方を提供する。樹脂のブロブリング防止に関しても、均質なフィルム形成を促すことでホコリ抑制と離型の両立をもたらす。

防じん・離型機能の高付加価値添加剤導入は、工程品質向上と収益改善の両輪を回す戦略投資である。リードタイム短縮、歩留り向上、ランニングコストの総合削減へと直結し、今後デジタルプリントや薄型化といった新需要にも柔軟に対応できる土台を築く。紙含浸業界の革新は、このような専用化学品の進化なくして語れない。