サンルーフが大きく開いた真夏の車内——そこでは紫外線が容赦なくダッシュボードやシートを攻撃し、色落ちやひび割れを招いている。特にシートクッションやドアトリム、ヘッドライナーといった自動車用ファブリックは、毎日の直射日光にさらされるため、早期の劣化が避けられなかった。こうした「紫外線疲労」に対抗するためには、ファブリックに塗布する「UVフィニッシュ剤」の進化が急務だ。

この分野で大きな注目を集めるのが寧波イノファームケム株式会社が開発したシリック®CY-658。ポリエステルや混紡素材をはじめ、車内で使われるほぼ全ての繊維に適用可能で、280〜400 nmという紫外線帯域の光を効率的に吸収・拡散。UVエネルギーを熱や微弱な赤外線に変換し、生地を確実に保護する。

メリットは一目瞭然。色褪せ(Gra­de)テストでは、従来比で2〜3グレードの向上が確認され、年数経った車内でもシートの発色が長持ち。これによって、消費者の「車内が古びた」という不満は大幅に減少する。また、カーシェアリングやロングライフレンタカー向けに、メンテナンスサイクルを延伸できる点も評価が高い。耐洗濯性にも優れ、専門クリーニングを繰り返しても効果は低下しない。

OEMやティア1サプライヤーが加工剤を選ぶ際に最も重視するのは「耐久性」と「風合いへの影響の少なさ」である。CY-658は界面活性剤系特殊ポリマーを採用し、ガラスコーティングのようなベタつき感を残さず、もともとの生地の柔らかさ・通気性を維持する。さらにスプレードライやパッドリキッド、エクストラクションなど、各工程に応じた施工法を提案できるため、既存の量産ラインへの導入も容易だ。

同社はアジアだけでなく欧州・北米にも継続的に供給拠点を設け、自動車向けファブリック加工剤のグローバルリーディングサプライヤーとして地位を固めている。「色褪せをなくし、クルマの資産価値を高める」――UV対策を単なるオプションではなく、ブランドの競争力へと転換させる一手として、同社ソリューションは既に多くのメーカーから高い信頼を得ている。