射出、押出、カレンダーなど、熱履歴の多いPVC加工において、分解抑制と高品質化を両立させるには添加剤選定がカギとなる。その中心に位置するのがペースト系安定剤であり、とりわけ重金属ゼロのカルシウム・亜鉛(Ca-Zn)系は、加工性・製品安全性・環境負荷低減の観点で注目を集めている。寧波イノファームケム株式会社は、当該Ca-Znペースト系安定剤の優位性を、素材設計の視点から詳説する。

PVC分解メカニズムと安定剤の役割

PVCは加熱により脱塩化水素反応を起こし、着色、脆化、腐食性ガス(HCl)の発生を引き起こす。これを防ぐため、安定剤は副生HClを捕捉し、遊離ラジカル連鎖を遮断することで、熱履歴全域にわたる樹脂寿命を拡張。どの化学種を採用するかは、プロセスウィンドウや溶融流動特性、最終製品仕様に直結する。

ペーストタイプがもたらすプロセス革新

  • 高い定量供給性と作業環境改善:ペースト形状のため、エアゾール化する粉体トラブルが抑制され、静電混入量も飛躍的に減少。自動計量装置へ直結可能でダストレス運用を実現。
  • 均一分散による外観品位向上:樹脂/可塑剤系への溶解・分散性に優れ、局所的な熱履歴差による斑点(フィッシュアイ)が抑制。塗工膜や人工皮革の美麗な表面を得られる。
  • プラスチゾールとの相性抜群:可塑剤分散液系への親和性が高く、沈降や粘度経時変化が小さいため、フロア材、手袋、壁紙など連続生産ラインでの稼働安定性を向上。
  • 内部滑剤性で高品位な表面仕上がり:適度な潤滑性能により、メルトフラクチャー抑制し、押出し・射出成型品の光沢と寸法精度を高める。

Ca-Znペースト:安全と性能の二律逆転を解消

  • RoHS/REACH適合で環境負荷ゼロ:Pb、Cd、Baなどの重金属フリーで、厳しい化学物質規制や食品衛生基準に対応。
  • 広範な熱安定性設計:180 ℃超の高温加工に対応し、長時間滞留にも耐え、発煙・着色を抑制。
  • 透明性・色相保持に優れる:医療用チューブや高透明フィルムにも使用可能。
  • 無臭性で消費財用途も安心:玩具、食品包装、医療グローブなど嗅覚センシティブ市場に最適。

このようにCa-Znペースト系安定剤が生産効率、製品性能、規制対応の三点を同時に達成できることで、医療機器、フローリング、食品対応包装材料などのアプリケーションで採用が急増している。寧波イノファームケム株式会社は、お客様のライン仕様に合わせてカスタム処方を設計し、PVCプロセスの最適化を推進している。