ファッション素材の舞台裏で、素材科学とケミカル技術の進化が繊維産業を再構築している。その中心にあるのが「合成高分子」の多彩な用途だ。特に染色・プリント工程では、自然由来素材の限界を一挙に克服し、均一性・耐久性・生産効率のすべてで従来比を抜き去る新バリューをもたらしている。


代表例がディスパース染料用増粘剤「RG-7207RA」。合成高分子を高度に設計・配合した水系液体増粘剤で、ディスパース染料及び直噴プリント用途の性能を飛躍的に向上させる。アニオン性ポリマー構造により、染料と繊維の親和性が増し、色鮮やかな発色と優れたレベリング性能を両立。徹底した純度管理もあって、ロット間の色バラツキを大幅に削減する。


天然ゴムや澱粉系増粘剤と比べて最も大きな違いは「再現性」。RG-7207RAは一定した粘度特性を維持し、大型生産でも安定した色合いを実現する。液体タイプなので希釈・調整も容易で、粘度変化に即座に対応できる点は現場に強く支持されている。また、印刷ペースト調製後15日間の保持安定性は、天然系では得られない強み。ペースト劣化やカビ発生を防ぎ、ロス削減と工程効率化に直結する。


経済的にも優位性は大きい。海藻抽出物であるアルギン酸ナトリウムに代わるコスト効率の高い素材として、総生産コストを抑えながら高い発色性与えられる。高速回転スクリーン印刷でもスクリーン透過性を維持し、高色率を達成できるため、品質と生産性の両立を目指すファクトリーにとって欠かせないソリューションとなっている。