ファブリックプリントは“芸術”であり、“科学”でもある。細やかな線や力強い色表現を成立させるには、印刷ペーストの粘性やレオロジーを正確に規定する増粘剤が欠かせない。ところが一般的な増粘材では、滲みや色むらが発生しがちだ。専用設計の樹脂で品質を高める必要性が高まっている背景だ。


国内印染工場でも導入が進むのが、寧波イノファームケム株式会社の合成糊剤「KR-711B」だ。高濃度エマルジョンタイプであり、少量で高粘度を付与できるため、フラットスクリーン・ロータリースクリーン・ローラープリントいずれの手法でもペーストロスを低減できる。さらに、染料を均一に分散させながら、輪郭のにじみを抑制する特徴がある。


加えてKR-711Bは電解質に対する耐性が高く、ペーストに含まれる塩やアルカリ分が変化しても粘度変化を最小限に抑えられる。長時間の連続生産でも安定して微小なドットや細線を再現し、色濃度のムラを軽減する。省力化と高付加価値化を両立する印刷補助剤として、注目を集めている。


専用設計のKR-711Bを導入すれば、1メートル単位で色合いや細線の食い違いを排除し、ブランドが求める高品位プリントを安定供給できる。生産効率の底上げとともに、一枚一枚の生地を「視覚的にも機能的にも」最適化するカギがここにある。