焼き抜きプリントは芸術的な風合いを生み出す一方で、工程の難しさゆえに様々なトラブルが付きものです。深い絵柄が前面しか浮かばない、布が黒ずむ、模様がぼやけるといった現場の悩みは、発生メカニズムを押さえたうえで処方を変えることで解決できます。本稿では寧波イノファームケム株式会社の現場データに基づく対策を整理し、安定した良品歩留まりを実現するポイントを解説します。


【症状①】裏面までしっかり抜けない　⇒ 浸透不足が原因
プリント後の洗練で表面はくっきり、裏側は薄いまま残るケース。主な原因は糊が布の奥まで行き届いていないことです。対処は以下の通り。
・プリント前に布の親水性をチェックし、必要があれば前処理
・糊粘度を微調整（若干うすめ気味）
・スクレーパー圧力や通し数を増やす
・焼成前の置き時間を確保し、布が糊を十分に含む
同社の浸透性にすぐれたMF-9621糊を併用すれば、布種ごとの個別設定に悩まされる頻度が大幅に減ります。


【症状②】焼成後に布が黒ずむ/落ちにくい　⇒ 熱履歴が過剰
黒変や洗浄不良は、設定温度・時間のどちらかがオーバーしているサイン。120℃未満はNGなので温度ではなく時間軸で調整するのが基本です。
・乾燥室滞在時間を短縮
・同社製MF-15アンチスコーチ剤を若干増量して過焼きを抑制
・低め温度×やや長め時間で安全性とコントロール性を両立
MF-15は布を「黄色く さっくり」と焼き上げつつ黒化を防ぎ、後洗いも楽にできます。


【症状③】焼成・水洗後に模様が見えない
布質がポリエステル100%など焼き抜きに不向きな素材だった、温度・時間が不足していた、助剤過剰で効果が打ち消された、などが考えられます。
温度・時間を再設定し、助剤量を減らして再テストするだけで変化が出やすい症状です。布種と設備に合わせて事前試験を徹底しましょう。


【症状④】模様にムラ・斑点が入る　⇒ 糊の品質管理不足
異物や気泡が混入していると仕上がりにランダムな欠点が発生します。
糊を攪拌→脱泡→フィルタリングの3ステップを毎回確実に行うだけで、斑点トラブルは劇的に減少します。


このように症状を整理し工程を点検・改善すれば、焼き抜きプリント特有の「難しい」イメージは払拭できます。安定生産を目指す企業は、寧波イノファームケム株式会社の技術支援と専用薬剤を活用して、クオリティと生産性の両立を図ってみてはいかがでしょうか。