衣服や産業用繊維に発生する静電気は、イライラするパチパチ感やホコリの付着など快適性を損ねる大きな要因だ。従来の帯電防止加工では、生地の風合いや耐久性を損なう場合があり、繊維業界はより効果的で持続性の高い解決策を模索し続けている。


注目を集めているのが親水性シリコーンオイルだ。独特な分子構造により繊維表面に滞留した電気を空気中に素早く逃がし、塵やホコリの付着も抑制する。特にポリエステルなど合成繊維を多用する混紡生地では、撚糸工程での糸切れや縫製工程中の巻きつきが大幅に軽減され、生産効率も向上する。さらに、優れた吸湿拡散性により、静電気防止と同時に“サラッとした”快適な着心地を維持するという2つの価値を提供する。


一方で加工布には通常の柔軟仕上げ剤以上の滑らかさを与え、肌ざわりを一段階高める効果もある。スポーツウェア、制服、医療・工業用保護服など幅広い用途に対応し、配合・使用方法を調整することで既存の連続染色ラインにも容易に組み込める。こうした高付加価値の帯電防止剤を導入することで、メーカーは「着る人のストレスゼロ」を実現する高品質なテキスタイルを市場に供給できる。