原料から紡績までの工程を終えた糸は、そのままでは市場に出せる状態ではありません。そこで求められるのが、柔軟性や強度、色落ち耐性、外観風合いといった最終用途に応じた特性を付与する「後加工・仕上げ処理」です。この段階の品質が、最終製品の魅力と価値を分けます。その要となるのが、専用化学助剤の選択です。

弊社が展開する「ナイロンHOY用潤滑剤〈高延伸糸抗静電油〉」はこの後工程に深く関わる製品です。元来は高速HOY生産線での糸切れ防止と除電を主眼に調整されてきましたが、実は仕上げ工程への影響も見逃せません。染色・仕上げ用各種スラリーとの相性が良く、均一な発色と斑の抑制に寄与するため、糸は仕上げラインへ「最適状態」で到達します。

特にPTPA98の目玉は「耐黄変性」。倉庫で長期保管されても色変化を最小限に抑え、高品位糸を市場に送り出す大きな安心材料です。HOY生産で紡績油剤を選ぶ際、製造者が欲するのは「紡績以降の工程全体に波及する付加価値」なのです。

ナイロン用紡績油剤を検討する場合、初期工程における除電・リント抑制性能が後々の染色・プリント・仕上げのクリーン度を左右することを忘れずに。初期段階で清浄で均質な糸を作ることが、最終製品の美観と耐久性を確保し、国際的な品質基準に応える最短路となります。