化粧品業界では、機能性・感覚性・安定性を同時に高める革新的な原料の需要が高まっています。その中で「グリセリン三酢酸(トリアセチン)」が、多彩な効果を発揮するマルチユース成分として存在感を増しています。安全性評価も済んでおり、メークアップ、ネイル、香水、スキンケアと幅広いパーソナルケア製品への配合が可能です。

まず溶剤として、香料や精油、アクティブ成分などを均一に溶解・分散させます。これにより処方のムラを防ぎ、有効成分の効果を最大化。特にパフューム用途では、揮発しやすいアロマ成分の蒸散速度を調整するフィキサーとして機能し、香りを長時間残す“長続きフレグランス”を実現する鍵となっています。

ネイルケア分野では、ポリマー皮膜の可塑剤として欠かせません。塗膜を柔軟にしひび割れを防止することで、塗り直し頻度を減らし、美しい仕上がりを長持ちさせます。また、微量での防腐効果もあり、菌の繁殖を抑えることで製品の安全性と保存性を高めます。

スキンケアやメークアップでは、感触向上のためのエモリエント成分として活躍。クリームや化粧水に配合することで、なめらかで高級感のあるテクスチャーを与え、使い心地を格段に向上させます。低刺激性であり、他の処方素材とも高い親和性をもつため、処方の自由度も広がります。溶剤・フィキサー・可塑剤・エモリエントという“4拍子”が揃ったトリアセチンは、高性能かつ洗練されたコスメ開発に欠かせない“次世代マルチプレイヤー”な成分です。