高分子材料やコーティングの耐久性を左右する紫外線劣化対策。液体ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として知られるUV-571（化学名：2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(ドデシル)-4-メチルフェノール）は、化学的安定性に優れたまま加工工程での取り扱いを極めて簡便化する設計がなされている。

本材料を提供する寧波イノファームケム株式会社によると、UV-571の分子式 C₂₅H₃₅N₃O、分子量約393.57 g/molという構造が、紫外線帯域を選択的かつ高効率に吸収し、光劣化の起点を封じ込める鍵となっている。特筆すべきはその液体形態による操作性の高さである。固体吸収剤が必要とする粉砕・分散工程を省略でき、トルエン、メチレンクロライド、n-ヘキサンのような汎用有機溶媒やビニルモノマーへの溶解性も高い。水にはほとんど溶けないため、疎水性樹脂内での残留安定性も確保できる。

加熱成型や硬化反応で温度が上昇するプロセスでは、UV-571の低揮発性が長期間のUV保護性能を維持する要因となる。蒸散による減耗が少ないため、耐久性を重視するプラスチック製品や保護塗料にとって高い付加価値を生む。

着色・透明性に関わるクリアプラスチックや淡色塗料への適用でも、UV-571特有の吸収スペクトルは黄色調を付与せず、例えば460 nm透過率が95 ％以上というデータは発色再現性への影響を最小限に抑える証左だ。これにより、外観品位を損なうことなく紫外線耐性を高められる。

同社は99 ％以上の純度、揮発分0.5 ％以下、灰分0.1 ％以下という厳格な品質管理でUV-571を供給。製造現場はもちろん耐久試験の要求も満たす高純度化学補助剤として、材料の長寿命化・高機能化に貢献する。