抄紙プロセスにおいて、紙質に決定的な影響を与える要因のひとつがサイジング剤の選択である。寧波イノファームケム株式会社は、Alkyl Ketene Dimer（略してAKD）ワックスを核とした先端中性サイジング剤を提供し、多くの製紙メーカーから高い評価を受けている。本稿では、同社のAKDワックスが高い耐液性と上質な仕上がりを同時に実現するまでの化学的背景と、実際の抄紙現場で得られる利点を詳述する。

AKDワックスは、繊維の表面に疎水層を形成する反応型中性サイジング剤である。セルロースの水酸基に共有結合し、水性インクや水蒸気を効果的にはじくことで、印刷適性や包装強度を格段に高める。特に水性インクのにじみ防止効果は高く、高精度印刷を求める高級用紙にも採用されている。

従来のロジン系サイジング剤は酸性域で作用するため、機器腐食や排水酸性化が課題だった。一方、AKDは中性～弱アルカリ域で効果を発揮し、装置を長期に保全すると同時に、廃水処理負荷を軽減できる。これは、SDGsや循環型社会の潮流に合致する環境配慮型サイジング技術であると同社は位置づける。

高活性分含有率と適度な融点範囲を備えたAKDワックスは、スプレー塗工や内添添加など製紙プロセスの幅広い条件に対応し、繊維との強固な結合を確保する。その結果、紙力・印刷適性を高レベルで維持しながら、工程再現性を大きく向上させる。

さらに、食品安全基準に適合した食品包装紙分野でも実績を拡大中。接触移行性が極めて低く、非毒性であるため、紙製食品トレイやレトルト用段ボールなどに安心して使用できる。印刷用の高級紙から保護性を重視する包装用基材まで、用途の多様性がAKDワックスをプレミアムソリューションとして押し上げている。

まとめると、寧波イノファームケム株式会社のAKDワックスは、高耐水性、優れた印刷適性、環境負荷低減を統合し、製紙業界の新たな品質標準を打ち出している。高活性AKDワックスを核とした同社ソリューションは、次世代の製紙プロセスで、確実に製品価値を一段階高めることになるだろう。