サステナブルファッションの波が服飾産業全体へ拡大するなか、「紡績助剤の環境負荷をゼロに限りなく近づける」という新たな命題が浮上している。寧波イノファームケム株式会社はこの課題に応えるべく、次世代帯電防止スピニングルブリカント「EcoSpin™」を開発・供給開始したと発表した。

EcoSpin™ は化学繊維スパンブルヤーン工程向けに最適化されたエコフレンドリー型油剤で、従来比で約20％のエネルギー削減を可能にする独自の低摩擦処方を特徴とする。また、使用量そのものが従来の約3分の2にまで削減できるため、排出される化学残分も大幅に減らせる。これにより製造ラインの廃液処理負荷が軽減し、工場全体のCO₂削減にも直結する。

帯電防止性能に関しては、東レ・東レブランドなど大手紡績企業でのベンチマークテストで、従来品を上回る帯電値維持を実証。機械摩耗の抑制効果も顕著で、据付レジスタンスの長寿命化によって設備投資の総所有コスト（TCO）を5〜7％改善できると試算されている。

「高機能と環境配慮は両立する」と語るのは担当開発リーダーの王博士。「日本のスポーツ向け高機能素材市場は世界有数の厳しい品質基準を持ち、同時にSDGsへの対応も急務です。EcoSpin™ はそこに一石二鳥で応える唯一無二のソリューションになり得る」。同社は近く、中国・寧波本拠地に年産1万トン規模のグリーン生産拠点も新設する計画だ。