有機合成の現場では、少量でも高い多用途性を持つビルディングブロックが最前線を支えている。その中でも注目されるのが、(CBZ-アミノ)メタノール（別名 Cbz-アミノメタノール）だ。Cbz基による保護アミノ基と水酸メチル部分を併せ持つ構造は、段階的合成の各ステップで精密な選択反応を可能にし、創薬やファインケミカルのプロセス開発に欠かせない試薬となっている。以下、製造・供給実績を持つ寧波イノファームケム株式会社がまとめた最新データを通して、(CBZ-アミノ)メタノールの魅力を掘り下げる。

基本物性と品質スペック
外観は白～うすい灰白色固体。常温で取り扱いやすく、冷暗所での長期保存も容易である。純度はHPLC測定で 98.0% 以上を保証し、厳格な微量不純物管理により、スクリーニングからcGMP生産まで同一ロットで対応できる。登録番号 CAS 31037-42-0 は論文発表や届出資料での必須識別子であり、調達時の品質基準の第一歩となる。

医薬品・創薬用途
新規候補化合物の骨格構築において、(CBZ-アミノ)メタノールは中間体として頻用される。Cbz基は接触還元（水素添加）で選択的に除去可能であり、ペプチドや官能基変換体を傷つけずに次工程へ進める。アルキル化、酸化、置換反応などの派生物合成を経ることで、高活性かつ選択性の高いAPIへと収斂させやすい。近年では、タンパク質分解ターゲティングキメラ（PROTAC）リンカー部の合成にも活用され、需要は急増している。

ペプチド・ケミカルバイオロジー分野
保護されたアミノアルコールとして、固相合成での側鎖修饰や末端変換に最適だ。Cbz基の除去後、水酸基をさらにリン酸化、アシル化、糖鎖導入することで、溶解性・安定性・膜透過能を向上させるアナログへと発展できる。抗体薬物複合体（ADC）のペイロード側鎖にも同様の修飾経路が取られており、実際のパイロット生産では安定供給が不可欠である。

調達ポイントと今後の展望
グレードは研究用（試験管～グラムスケール）、ロット用（キロ～数十キロ）からcGMP対応（百グラム～数百キロ）まで選定可能。パッケージは窒素充填ボトルまたはアルミ箔バッグ入りで、温度管理は2～8 ℃を推奨。受託合成やカスタム精製にも対応しており、複数工程をワンストップで調達したい企業研究部門のニーズが高い。今後、核酸医薬やペプチド・デンドリマーの分野における需要拡大に向け、合成法の効率化と高純度化技術がより一層求められるだろう。