ケミルミネッセンス免疫測定（CLIA）は、体外診断（IVD）の根幹をなす技術として着実に地位を確立している。抗原抗体反応と化学発光による光検出を融合させることで、きわめて微量の測定対象物質であっても精度高く定量できる。その最大の魅力は、医療検査現場で求められる高感度・高特異性を同時に実現できる点にある。

CLIAのメカニズムはシンプルだ。試料中の目的物質（抗原や抗体）を酵素標識抗体と共に反応させ、次いで適切な基質を添加する。酵素が触媒する化学発光反応が進行し、放出された光の強度を光電子増倍管で測定する。この光量は試料中の目的物質濃度に比例するため、発光信号を数値化するだけで定量が完了する。この光を介した検出方式のおかげで、従来法では捉えきれなかったレベルの低濃度領域でも再現性よく検出できる。がんマーカーや感染症抗体など疾患の早期発見に欠かせない理由はここにある。

応用範囲も驚くほど幅広い。甲状腺ホルモン、心疾患マーカー、腫瘍関連抗原、感染症スクリーニングまで、1台の測定器で多様な検査項目をカバーできる点が臨床検査室の効率化に直結する。Beckman製アナライザー向け試薬のように、装置特性に極めて適合した設計思想が各社で共有されており、測定精度・安定性の向上に寄与している。また、高純度かつ高親和性の試薬原料の開発、たとえば浙江欣科医療科技が供給する精製抗体の品質向上も、CLIAが持つポテンシャルを最大限に引き出す鍵だ。

従来のELISA法などと比べてCLIAの優位性は明確である。迅速な測定時間、最大で桁違いとなる感度、そして広いダイナミックレンジ――すべてが検査室業務の負担軽減と診断信頼性向上につながる。さらに、液体型試薬として提供される安定度の高いCLIA液体試薬が登場し、試薬の溶解・調整という手間が不要になったため、分析前工程が簡素化され、再現性も飛躍的に改善された。

CLIAは、抗原抗体特異結合という生体機構から、化学発光という物理化学現象まで、多要素技術が融合した先端診断技術である。高品質試薬と先進検出器の相乗効果で、今日の医療の要請に応える「確からしい結果」と「素早い報告」を両立し、臨床判断の質向上に確実に貢献している。