加齢とともに低下するNAD+(ニコチナミドアデニン二ヌクレオチド)を補う注目成分「NMN」。多くの研究で若々しい体調維持に関与する可能性が示されていますが、実際に活用する際には“自分に合った量”を知ることが最重要です。本記事では国内外の臨床データをもとに、推奨されるNMN摂取量の目安、個人差を生む要因、そして毎日の生活に自然に取り入れるための具体的なテクニックをお伝えします。

推奨されるNMNの「目安量」を理解する

現時点での研究では、安全性を確認されたうえで効果が得られた量として1日250 mg~1000 mgがよく参照されます。中には1200 mg/日まで実施された臨床試験もあり、「この範囲内であれば概ね許容性が高い」と報告されています。ただし、年齢や生活習慣など個別状況によって前後するため、最初は「250 mgスタート」を基本に段階的に調整するのが無難です。

NMNを始めるなら「低用量スタート+段階的アップ」

NMNを初めて試す方は、まず毎日250 mgを2週間程度継続し、体調変化や胃腸の反応をチェックしましょう。問題なければ、目標とする健康レベルに応じて500 mg、さらには1000 mgへと毎日の摂取量を増やす流れが一般的です。35歳以上でNAD+が急激に低下しやすい年齢層では、「500 mgスタート→必要に応じ1000 mgへ」と段階的に増量するケースが増えています。

個人差を生む6つのチェックポイント

  • 年齢:年齢が上がるほどNAD+は低下しやすく、目安量も高めになる傾向にあります。
  • 体重:体重が大きいほど同一摂取量では細胞内濃度が下がりやすいため、量を高めに設定する必要があります。
  • 代謝・生活習慣病:高血糖や脂質異常などがあるとNMNの利用効率が変わることもあるため医師相談が推奨されます。
  • 遺伝的背景:NAD+合成に関わる遺伝子型によっては、標準量のままでも効果が顕著、または控えめにしたいケースも。
  • 運動習慣:激しいトレーニングは一時的にNAD+を消費するため、運動頻度が高い人はやや多めの設定も検討できます。
  • 薬との併用:抗糖尿病薬や抗高血圧薬などとの相互作用を避けるため、必ずかかりつけ医に相談してください。

「いつ」「どうやって」摂取するか?

ほとんどの研究では、起床後すぐに空腹時1回服用する方法がNAD+日内リズムとの親和性が高いと示唆されています。NMNは水溶性であり、食前・食後どちらでも吸収されますが、胃腸が敏感な方は少量の食事と一緒にとると安心。空腹時摂取でむかつく場合は、朝食と一緒に摂るだけで胃の負担は軽減できます。

信頼できる製品選び+医療機関への相談を最優先

現在の知見では250 mg~1200 mgの範囲に留まれば副作用リスクは低いといえますが、健康状態は人それぞれです。長期的に続ける場合は正規医師の診察を受け、年齢や服用中の薬を加味した“個別最適量”を決めることが大前提。さらに、第三者機関による純度・重金属テストの公開データがあるブランドを選ぶことで、成分の信頼性を担保できます。