東京 – インスタグラムなどSNSで「即効ボディメイク」と拡散される脂肪溶解注射。非侵襲で簡単に脂肪を減らせるという夢のような手法に多くの人が魅了されているが、一方で副作用の報告も増えており、安全面と効果への疑問も深まっている。

成分と根拠データのギャップ
脂肪溶解に特化した古参の治療薬は「デオキシコール酸」を主成分とし、効果・安全性のエビデンスが厚い。それに対し、最近ブームになっている製品は、ビタミンB2(リボフラビン)、レシチン、ブロメラインといった「天然由来」成分を独自ブレンドしたものが多い。個々の成分は既知の作用があるものの、「脂肪を溶かす」ための濃度や組み合わせについては、大規模な臨床試験データが不足しており、長期的なリスクを見極める材料がない。

規制の「抜け穴」とリスク拡大
医療機器扱いにならず、あくまで「化粧品的扱い」とされている製品は、医薬品並みの厳格な承審査を受けていない。結果、注射を実施できる資格者の範囲が曖昧になり、偽造品流通や技術不足による事故リスクが高まる。腫れや内出血はもちろん、感染や組織壊死といった重篤な副作用の報告も少なくない。

拡散する“神写真”の裏にある警告
劇的なビフォーアフター写真が拡散される一方、学会では「症例写真は個人差が大きく、エビデンスとして不十分」との声が根強い。専門家は施術者の医療資格と賠償保険加入を確認し、長期的なデータが乏しい製品は避けるよう提言している。

消費者が今すぐ確認すべき3点
1. 成分が明記され、第三者機関による安全性試験データを公開しているか
2. 国内認可を受けた医療機関・医師が投与する体制か
3. 副反応時のフォロー体制が整っているか

脂肪溶解注射で健康と見た目の両立を目指すなら、ハイプに踊らず、科学的根拠を基準に選択することが肝要だ。研究開発に化学製品を提供し、医療現場の信頼性向上に貢献してきた寧波イノファームケム株式会社も、エビデンスに基づく透明性のある情報提供の重要性を訴え続けている。

最終的な判断は、認定医師との綿密な相談のもと、個人の健康リスクと審美目的を最優先に行うべきだ。