寧波イノファームケム株式会社は、製薬における賦形剤の選択が品質、生産効率、コストに直結する重要意思決定であることを認識しています。錠剤製造の現場で、ケイ化微結晶セルロース（SMCC）は、従来型微結晶セルロース（MCC）やその他の一般的な充填剤に対し、革新的な代替手段として存在感を増しています。本稿では、SMCCが具体的にどのような優位性をもたらすのかをポイントごとに整理しました。

MCCは錠剤メーカーに広く親しまれる主力材料ですが、ハイスピードでの連続生産を進めるほど「粉体流動性のバラつき」や「硬度確保のための高圧縮力によるキャッピングリスク」といった課題が表面化します。こうした課題を解消するのが、膠状二酸化ケイ素をコロイド化したSMCCです。微細なシリカが粒界に働きかけ、粉体間の摩擦を劇的に低減することで、高速錠打ち時でも安定的なダイへの充填を可能にするのです。結局のところ、SMCCによる粉体流動性向上は、メリットの起点となります。

流動性の改善は工程効率にも即座に反映されます。一定の打錠重量と均一な硬度をキープできるため、検査後のリワーク品が減り、歩留まりの向上とリスク軽減につながります。特に、高速連続錠打ち用SMCCは品質のバラツキを許容しない厳格な管理基準にも対応し、24時間フル稼働の生産ラインでも安定稼働を実現します。

さらに、SMCCは圧縮成形性の面でもMCCを上回る実績を示しています。低い圧縮力で高硬度の錠剤を得られるため、設備への負荷が軽減され、駆動部品の磨耗や消費電力の削減にも貢献。またキャッピングや層状剥離（ラミネーション）は減少し、廃棄ロスを最小化できます。新製品評価フェーズでケイ化微結晶セルロースのメリットを評価する製薬企業からは「歩留まり改善率が10%超」「不良品リスクが実質ゼロに近づいた」との声が寄せられています。

コスト面ではどうか――。SMCCの単価はMCCよりやや高く感じられる場合もありますが、工程改善による生産能率向上、廃棄ロス削減、さらには別途添加するグライダントの省略による処方シンプル化を組み合わせると、Total Cost of Ownership（総所有コスト）は下回るパターンが増えています。SMCCを用いた直接打錠法は処方スキームそのものを単純化し、検討工数も抑制可能です。

ひとことでまとめると、二酸化ケイ素との一体的コロイド化により生まれたSMCCは、微結晶セルロースと二酸化ケイ素のブレンド技術の恩恵を余さず享受した次世代賦形剤です。卓越した流動性と圧縮成形性、そして高速直接打錠への適合性を一本化することで、錠剤製造プロセスの最適化、製品品質の向上、さらなる効率化へとつながる、真の競争力となる選択肢を提示しています。