中国・寧波 ─ バルクAPI(原薬)および創薬中間体の専門サプライヤーである寧波イノファームケム株式会社は、革新的な乳がん治療薬アルペリシブ(開発コード:BYL719)の開発・供給に注力しています。本稿では、この選択的PI3Kα阻害剤がPIK3CA変異に対してどのように作用し、治療成績を向上させているのかを詳細に解説します。

PI3K/AKT/mTOR経路は細胞増殖・生存・代謝の司令塔として知られていますが、その中核となるPIK3CA遺伝子の活性化変異は、ホルモン受容体陽性(HR+)・HER2陰性乳がんの約40%で認められ、内分泌療法抵抗性を招く主因の一つです。アルペリシブはPI3Kαサブユニットに高い選択性で結合し、変異型PI3K酵素の暴走信号を遮断することでがん細胞の増殖を抑制します。

Phase 3試験SOLAR-1では、PIK3CA変異陽性患者でアルペリシブ+抗エストロゲン剤フルベストラント併用群が、フルベストラント単剤群と比較して無増悪生存期間(PFS)を約5ヵ月から11ヵ月へと大幅に延長したことが示されています。このようにエストロゲン受容体とPI3K経路の二重ブロック戦略は、HR+/HER2- 乳がんにおけるPrecision Medicineの新標準となりました。

寧波イノファームケムは、cGMPに準拠した高純度アルペリシブ(医薬品原末)を安定供給し、各国の創薬企業や研究機関の臨床試験・製品化プロセスを支えています。当社の製造体制では、スケーラビリティーに優れた結晶プロセスと厳格な品質管理により、ロット間バラツキを極小化し、グローバル規制要件に適合する製品を届けています。

今後、アルペリシブを含むPI3K阻害薬群は適応拡大や併用療法の検討が進むことでますます重要度を増します。寧波イノファームケムは高品質な中間体・APIの継続供給により、世界のがん医療改善に貢献してまいります。