創薬には微量かつ高純度の中間体が欠かせない。今回注目されるのは、化学名を(S)-テルチオ-ブチル 3-オキソ-1-フェニルプロピルカルバメートというCAS 135865-78-0の化合物だ。CCR5ケモカイン受容体を標的に据えた新規医薬品、特にHIV治療薬の合成に極めて重要なブリッジとなる。

この中間体はスピロトロパン骨格を有するCCR5拮抗薬の立体選択的合成に最適化されており、スケールアップを想定したプロセス開発にも高い再現性を供給する。連続多段合成の各ステップで期待通りの反応性を示すため、前臨床〜製造段階へ移行する時間を大幅に短縮できる点が大きな利点だ。

さらにCCR5受容体はがんや慢性炎症疾患における新規ターゲットとしても注目されており、CAS 135865-78-0の応用範囲はHIVのみにとどまらない。グローバルで急増する革新的治療薬の需要を背景に、高純度・安定的供給可能な中間体の戦略的確保は、先端創薬を担うすべての組織にとって必須の課題となっている。