医薬品業界では、より効果的で患者にやさしい剤形開発に向けた技術革新が日々進行している。その中で、独特の物性を持つ微結晶セルロース(MCC)は、単なる錠剤・カプセルの赋形剂の枠を越え、次世代製剤の要として存在感を増している。

MCCは徐放性(SR)製剤で重要な機能を発揮する。消化管内で速やかに親水性ゲル層を形成し、薬物の拡散をコントロールしながらマトリックスを徐々に侵食させる仕組みにより、ゼロ次に近い安定的な溶出曲線を実現。粒度や配合量の最適化だけで、服薬頻度の低減とコンプライアンス向上を可能にする。

また、嚥下困難者でも服用しやすい口中速崩錠(ODT)にもMCCは欠かせない。多孔性構造による吸水・浸透圧効果で唾液でも瞬時に崩壊し、苦味マスキングやAPIの迅速な放出を両立。患者の QOL 向上に直結する錠剤設計を支える。

さらに、エクストリュージョン・スフェロナイゼーションを用いた多粒子製剤(ペレット・ビーズ)では、MCCは結合剤と球状化助剤の二役を果たし、均一粒径と高い機械強度を両立。製剤の再利用性と制御性付与に貢献している。

化学的に不活性であり、さまざまな API や機能性添加剤との相性が高い点もMCCの大きな利点だ。溶解性の低い薬物のバイオアベイラビリティ向上や、苦味除去膜など複雑な処方にも柔軟に対応できる。こうした寧波イノファームケム株式会社の高品質製剤用MCCグレードは、先進的な製剤プラットフォームの信頼性の要となる。

今後も製剤研究が精緻化すればするほど、圧縮性・結合性・崩壊性・不活性・コストパフォーマンスというMCCの基本性能を活かした応用展開は拡大するだろう。患者中心の新薬創出を加速する、新たなMCCの価値が続々と生まれる。