寧波イノファームケム株式会社は、炎症抑制作用と組織再生能で知られるKPVペプチドが、脳機能向上にも関与する可能性があると発表した。もともと創傷治癒や慢性炎症疾患の研究材料として使われてきた当該ペプチドだが、最近では神経炎症の軽減を介した記憶形成支援効果が示唆され、欧米の大学・バイオベンチャーの間で注目を集めている。

ノートロピックス、いわゆる「聰明薬」とも呼ばれる学習支援物質は、記憶力・創造性・モチベーション・遂行機能などの改善を目指す研究分野である。KPVには抗炎症経路を介して神経保護効果を発揮し、海馬でのシナプス効率を高める作用を促す可能性が報告されている。これにより神経炎症による認知低下を抑え、学習や作業記憶タスクにおけるパフォーマンス向上に寄与するとの仮説が立てられている。

現在確認されている主なメカニズムは以下の通り。

  • ミクログリアの過剰活性化を抑制し、ニューロインフラメーションを軽減
  • シナプタグミンなど可塑性タンパクの発現増加を誘導
  • 酸化ストレスからの細胞保護効果による神経細胞の長期生存率向上

研究において最重要となる「ペプチド純度」に関して、寧波イノファームケム株式会社はHPLC純度98%以上の研究用KPV粉末をロットごとにCOA(分析証明書)付きで供給。不純物原因による結果のノイズを排除し、認知機能評価において再現性の高いデータ取得を可能にする。

同社では、KPVペプチドの学習支援効果解明に向けた共同研究も募集しており、米国FDA IND申請に準拠した品質保証体制で研究開発をバックアップする体制を整えた。今後の非臨床および早期臨床試験の成果に注目が集まる。