中国・寧波 – アンチビオティックAPIの専門メーカー 寧波イノファームケム株式会社 は、テトラサイクリン塩酸塩(医薬品グレード)価格の裏側にある複合要因について、製剤メーカー向けに整理したレポートを公開した。

同社が指摘する第一の要因は「精緻な品質管理」。医療用APIとしてはUSP・EPといった国際規格への完全準拠、さらにはGMP基準に基づく工程管理が不可欠だ。高純度テトラサイクリン塩酸塩を購入するということは、ヒト・動物双方の安全性・有効性を確保するための厳格な品質試験コストにも投資するという意味合いがあり、製品単価に直結する。

続いて「需要の微調整」が価格に影す影響も大きい。近年は耐性菌問題で使用シーンが限定されているとはいえ、クラミジア感染やリケッチア症などの特定疾患治療では依然として欠かせないAPI。疾病の流行状況や各国治療ガイドラインの改訂によって需要が伸縮し、結果として相場も上下するというメカニズムだ。

第三に「合成・精製コスト」の高さも影響する。テトラサイクリンの細菌増殖抑制作用は複雑な構造に由来しており、高純度を維持するためには特殊な原料・高エネルギー消費、熟練技術者の参画が欠かせない。また、添付書類の管理体制や各種認証更新といった規制作業のコストも価格に上乗せされてくる。

寧波イノファームケムは「厳格な品質基準を堅持しながら、効率的な生産体制とコスト管理で競争力ある供給を継続する」方針を打ち出しており、製剤企業に対して「治療の現場で必要とされる信頼のAPIを適正価格で提供する」ことを約束している。