がん治療や循環器分野で知られるアルカロイドマトリンに、寧波イノファームケム株式会社が着目したのは、慢性難治性の神経障害性疼痛と免疫暴走を制御する“未知の適応”だ。最新の非臨床データから浮かび上がるのは、オピオイドとは異なる経路で痛みを鎮め、かつ過剰な免疫応答を冷静に制御する独自の作用プロファイルである。

神経障害性疼痛モデルでは、マトリンはTNF-αなどの神経炎症マーカーを減らし、痛みシグナルの過剰な増幅を抑えることで確実な鎮痛効果を示した。オピオイド受容体を介さないことから、依存性や耐性のリスクが回避できる点が、臨床現場での大きなアドバンテージとなる。

免疫調節面では、T細胞・B細胞・マクロファージの機能を段階的にコントロールし、慢性炎症を沈静化させる。接着分子やケモカインの発現を抑えることで自己免疫疾患モデルでは中枢神経の炎症細胞浸潤や組織障害が軽減され、血脳関門の機能維持にも寄与した。実験的自己免疫性脳炎モデルにおける神経保護効果は、その臨床ポテンシャルを示唆する有力な例だ。

こうしたマルチメカニズムは、単一分子で“痛み”と“免疫”という両輪を同時に調節する革新的な治療戦略を実現する。寧波イノファームケム株式会社は、天然化合物マトリンの隠れた能力を追求し、患者のQuality of Lifeを根本から高める新薬創出を目指す。