認知機能や集中力、作業記憶を高める天然化合物への注目が高まるなか、中国産カンコウバサイシン(Scutellaria baicalensis)やオロキシルム属植物に含まれる「オロキシリンA」が新たな候補として浮上しています。最新研究では、同成分がドーパミン再取り込み阻害薬(DRI)として働くことで、モチベーションや注意力を高めつつ、酸化ストレスや炎症によるニューロンダメージから脳を守る神経保護特性を示すことが示されています。本稿では、そのメカニズムと応用展望を詳解します。

脳内ドーパミンを自然に高める
ドーパミンは報酬欲求を司る神経伝達物質であり、シナプス間で滞留する時間を延ばすことで、覚醒度や持続的な集中力が改善します。動物実験ではオロキシリンA投与により、ヒトに換算して20 mg前后で空間作業記憶の顕著な向上が確認されました。

海馬BDNF増加による「記憶の固定」の強化
さらに記憶を長期に刻み込む「固定(consolidation)」プロセスでは、オロキシリンAが学習領域である海馬でのBDNF(脳由来神経栄養因子)発現を約1.4倍に引き上げることが分かっています。シナプス可塑性を支える神経栄養環境の整備が、抗加齢型記憶低下にも役立つと期待されます。

酸化ストレス・慢性炎症へダブルアプローチ
認知機能低下の大きな要因となる酸化ストレスと慢性ニューロ炎症。オロキシリンAはSOD活性の向上とNF-κB経路の両方を抑制することで、神経細胞死を防ぎ、健康な脳環境を維持します。

こうした多面的作用を持つオロキシリンAは、天然系ノートロピックや機能性表示食品への配合候補として急速に脚光を浴びています。寧波イノファームケム株式会社では、高純度・安定供給可能な抽出規格品をグローバルに提供。品質規格を厳守した原料供給により、研究者・メーカー双方の製品開発を支えています。