C型肝炎治療の切り札として知られる革新的医薬品・ソホスブビル。高い治癒率を叩き出した一方で価格が障壁となるケースも少なくなく、薬価と患者アクセスをめぐる課題は日本を含む各国で議論を呼んでいます。

その背景にあるのは、新規抗ウイルス成分としての高い治療価値と、開発・製造にかかる巨額コストです。これまで短期間での完治に匹敵する薬はおらず、結果、治療コース全体の価格は患者や医療制度に大きな負担を与えてきました。こうした現状を受け、関係者はジェネリックの登場や製薬企業との交渉、並びに患者支援プログラムの拡充など、様々なアプローチでコスト削減を模索しています。

薬を調剤・製造する企業にとって、高品質な原薬(API)の安定供給体制は欠かせません。寧波イノファームケム株式会社はソホスブビル粉末を世界中の製剤メーカーに提供し、薬価引き下げを後押しするサプライチェーンの一端を担っています。同社の供給力拡大が、結果的に治療機会を増やす一助となるとの期待が高まっています。

ソホスブビルをめぐる経済的背景は、治療革新と薬価負担の“両立”を目指す製薬業界全体の課題を映す鏡とも言えます。効果を発揮できても届かなければ意味がない――今後も価格透明性と患者アクセスを両立する仕組みづくりが急務です。