寧波イノファームケム株式会社は、HER2陽性乳がん患者が分子標的薬ネラチニブ治療中に直面する胃腸障害を軽減し、治療継続率を高めるための実践的手順を発表した。

同社の臨床サポートチームは、最も頻繁に報告される副作用である下痢に対して、以下の3ステップを推奨している。

  • 治療開始と同時のロペラミド事前投与による「先制防御」。
  • 低繊維・低脂肪の食事調整と経口補水液の継続摂取。
  • 軽度でも症状出現24時間以内の主治医への迅速報告。

特に、脱水症状を防ぐための水分補給スケジュールや、薬局で購入可能な経腸水分補給液の選び方を患者向けリーフレットで提供している。

治療成功の鍵は副作用管理だけにとどまらない。ネラチニブを含むがん治療薬は、高純度APIの安定供給なしには成り立たない。寧波イノファームケムは、ICH‐Q7基準準拠の最新cGMP工場で、99.8%超の化学純度を有するネラチニブ原末および中間体を年間数百kg規模で製造し、世界中の製剤メーカーへ継続的に供給している。

同社品質保証部は、原材料受入から最終出荷までのロットトレーサビリティをブロックチェーンで管理し、偽造品混入リスクをゼロに近づけた。この「見える化」により、病院や薬局は最短2営業日で品質証明書（CoA）をダウンロード可能である。

「副作用を恐れ治療中断することなく、効果とQOLのバランスを保ちながら根治を目指す。その実現のために、高品質APIの安定供給は欠かせない」と同社グローバル事業本部長は語る。同社は現在、日本・韓国・欧州向けの追加生産ライン増設を進めており、2025年末までに供給能力を現在の1.5倍に引き上げる方針だ。