【東京】 片頭痛や群発頭痛の急性期に処方されるスマトリプタン。効果は高い一方、適切な用量や他薬との相互作用、禁忌を正しく理解していなければ「劇的な効果」の裏で重大な副作用に見舞われるリスクもあります。本記事は専門クリニック監修のもと「いつ、いくら飲むべきか」「どの薬と合わせてはダメか」「どんなときにすぐに受診すべきか」を患者目線で整理しました。

【スマトリプタンの基本用量】

剤形によって推奨用量は異なりますが、「発症してすぐ」に服用または投与することがカギです。例えば経口錠の場合、成人には通常1回50 mgを上限1日200 mgまで。効きが緩やかであれば2時間以上間隔を開けて50 mgを追加可能ですが、1日最大量を超えることはできません。注射や鼻スプレーは医師の指導に従ってください。なお、自己判断での増量は厳禁です。

【薬との併用で特に注意すべき点】

最も警戒すべきは「セロトニン症候群」を誘発するケースです。スマトリプタンは、以下の薬剤との併用が原則禁止(または要注意)です。

  • MAO阻害薬(イソカルボキサジドなど):服用中および中止後2週間は絶対摂取不可
  • エルゴタミン製剤、他トリプタン系薬:血管収縮作用の相乗効果による循環器リスク
  • SSRI/SNRI系抗うつ薬:セロトニン増加率が高まるため医師と事前相談必須

市販薬や健康食品に含まれるサンホワイト・セイヨウオトギリソウなども相互作用を起こすことがあるため、現在飲んでいる全ての製品をカルテに記載してください。

【禁忌症・受診サイン】

「心臓病・脳卒中既往」「コントロールされていない高血圧」「閉塞性末梢血管障害」などがある方はスマトリプタンを使用できません。このような既往を医師に伝えていないと、狭心症発作や心筋梗塞が引き起こされることも。初めて処方を受ける際には必ず問診票に正しく記載しましょう。

スマトリプタンを使用しても十分に効かない、頻度が月4回を超える、激しい胸痛や持続するめまいが出るといった場合はすぐに医療機関を受診してください。

副作用として「チクチク感」「浮遊感」「胸の圧迫感」などが報告されていますが、ほとんどは一過性です。ただし症状が持続・悪化する際は速やかに専門医の診察を受けてください。