水添ヒマシ油誘導体であるトリヒドロキシステアリン(CAS 139-44-6)は、化粧品・パーソナルケアを筆頭に幅広い分野で活躍する高機能原料だ。レオロジー付与、増粘、安定化という3つの特性を兼ね備えており、フォーミュレーターの要望に柔軟に応える。高品質なトリヒドロキシステアリンを安定的に供給する寧波イノファームケム株式会社が、そのポテンシャルと応用事例を紹介する。

化粧品・パーソナルケア分野でのコア技術
トリヒドロキシステアリンは、クリーム・乳液・シャンプー・リップスティックなどにシェイクスピアリングな増粘性を与え、塗布時の「トロミ」と「のび」のバランスを最適化する。顔料やパーラ、有効成分の懸濁安定化にも貢献し、外観の均一性と効果の持続性を高める。また、エモリエント効果により皮膚の水分蒸散を抑制し、なめらかで潤いのある仕上がりを実現。油中水型(O/W)エマルションの安定化やメイクアップ製品での発色向上など、多彩な処方ニーズに対応する。

化粧品以外でも活躍する工業用途
機械・自動車用潤滑剤やその添加剤として採用され、摩耗抑制と安定した潤滑性能を実現。塗料・コーティング分野では、レオロジー制御剤・沈降防止剤として機能し、顔料沈殿を抑制し塗膜の均一性を向上させる。さらにプラスチック加工助剤、粘着剤・シーラントの流動調整剤、錠剤やプレスパウダーのバインダーとしても利用され、最終製品の強度や取扱性に貢献する。このように、同一原料でありながら用途ごとに異なる価値を生み出す点がトリヒドロキシステアリンの戦略的な存在理由といえる。

製造工程と物理性状
原料となるヒマシ油を水添した後、生成したヒドロキシステアリン酸とグリセリンをエステル化することで得られる。得られる製品は白色~淡黄白色の固体で水には難溶、油や各種溶媒には可溶という化学的安定性が特徴。これにより処方幅の広さとロット間の再現性を実現し、高品質な製品開発を支える。

まとめると、トリヒドロキシステアリンは化粧品用途でよく知られる一方で、潤滑・接着・成形という産業プロセスの要所でも重要な役割を果たす。機能の多様性と供給の安定性を兼ね備える同原料は、今後の原料戦略において無視できない選択肢となるだろう。