東京発――DNAの配列そのものは変えずに遺伝子をオンオフする「エピジェネティック制御」。この機構は細胞の分化・発生・環境応答に欠かせないが、調節の乱れは加齢や疾患に深く関与することが判明している。現在、そのエピジェネティックメカニズムに強い影響を与えるとされる合成ペプチド「Prostamax(プロスタマックス)」の研究が各国で進んでいる。

なぜクロマチン構造が鍵なのか。 ヒトゲノムは長いDNAがヒストンと呼ばれるタンパク質に巻き付いた「クロマチン」という形で保管されており、こうした構造の開き具合(ユークロマチン=開いている/ヘテロクロマチン=凝縮している)が、遺伝子がRNAに転写されやすいかどうかを決める。加齢とともにクロマチンは凝縮しやすくなり、修復や機能維持に必要な遺伝子が「封印」される。Prostamaxはまさにこの凝縮を緩和する働きがあるという。

実際の試験データでは、Prostamax処理により ・姉妹染色分体交換(SCE)の頻度上昇 ・Ag陽性核小体組織領域(NORs)の増加 ・セントロメア周囲の大きなヘテロクロマチン領域の減少 が認められ、クロマチンの「解錠(デヘテロクロマチン化)」とリボゾームRNA遺伝子の活性上昇が示唆されている。このことは凝縮によって沈黙していた遺伝子を再び機能させる可能性を示している。

遺伝子の再活性化はタンパク合成の増加、機能回復、損傷修復力の向上につながり、Prostamaxを加齢抑制や再生医療の切り札として注目させている。今後の展開を支えるのが寧波イノファームケム株式会社だ。高純度Prostamaxペプチドの安定供給により、世界中の研究者がエピゲノムレベルの制御機構を詳しく解き明かすための足場を提供している。

クロマチン改変を武器に、疾患や加齢といった「スイッチが入らなくなった遺伝子」を安全にオンに戻す――。プロスタマックスのようなペプチドが拓く「エピジェネティック医療」の幕は、すでに上がっている。