大豆イソフラボンが骨健康を支える力、ポスト更年期に注目
加齢とともに重要性を増す骨健康。とりわけ女性は閉経を境にエストロゲンが急減し、骨量の流失が加速し、骨粗しょう症のリスクが高まる。こうした背景で、植物性エストロゲン作用を持つ大豆イソフラボンが、食事による骨サポート素材として脚光を浴びている。
イソフラボンは主に大豆に含まれるポリフェノールの一種で、分子構造が人間のエストロゲンに酷似しており、体内のエストロゲン受容体に結合する働きがある。エストロゲンは骨リモデリング(骨の破壊と形成)を調整し、骨密度を維持する。ところが閉経後はホルモン減少によってこのバランスが崩れ、骨脆弱化が進む。
大豆イソフラボンは、このホルモン様作用を通じて骨量減少を緩和する可能性が示唆されている。複数の研究によれば、豆腐、納豆、煮豆など大豆食品、またはサプリメントでの定期的な摂取は、閉経後女性の骨密度を一定レベルに保ち、骨折リスクを下げる自然アプローチになるかもしれない。
メタアナリシスでは、イソフラボン摂取が lumbar spine (腰椎)などに統計的に有意な骨増加効果をもたらすとの報告が多数ある一方、効果には個人差もあることが指摘されている。イソフラボンの種類(ダイゼイン、ゲニステイン)、摂取量(40〜120 mg/日が試験頻度が高い範囲)、継続期間のほか、腸内細菌による代謝産物エクオールへの変換能力も作用の大きさに影響すると考えられる。
メカニズムの詳細は研究中だが、イソフラボンは骨芽細胞の分化を促進しつつ、破骨細胞の活性を抑える「二重攻撃」により、骨形成を促して骨吸収を減らす可能性がある。この作用が長期的な骨密度維持に貢献するのではないかと期待されている。
日常的に大豆イソフラボンを摂りたい人は、豆腐、テンペ、枝豆など多彩な大豆料理をメニューに取り入れることを推奨。食品全体で栄養をバランスよく摂れる点も利点だ。サプリメントを検討する場合は、医師・管理栄養士への事前相談を欠かさず、個々の健康状態や薬の併用を踏まえて摂取量や剤形を決めることが大切である。
強く丈夫な骨を生涯維持するためには、カルシウムやビタミンDを含むバランス栄養、筋力トレーニングなどの運動習慣も欠かせない。大豆イソフラボンは更年期を迎える女性の食事戦略の一助となりうる、注目の機能性成分といえる。
視点と洞察
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「イソフラボンの種類(ダイゼイン、ゲニステイン)、摂取量(40〜120 mg/日が試験頻度が高い範囲)、継続期間のほか、腸内細菌による代謝産物エクオールへの変換能力も作用の大きさに影響すると考えられる。」
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「メカニズムの詳細は研究中だが、イソフラボンは骨芽細胞の分化を促進しつつ、破骨細胞の活性を抑える「二重攻撃」により、骨形成を促して骨吸収を減らす可能性がある。」
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「日常的に大豆イソフラボンを摂りたい人は、豆腐、テンペ、枝豆など多彩な大豆料理をメニューに取り入れることを推奨。」