空気分離を革新する13X分子ふるい、高純度・高能率を実現
大気から酸素・窒素・アルゴンなどを精製する「空気分離」は、医療や製造業をはじめ現代社会に欠かせない基盤技術である。その際、原料となる空気に含まれる微量な不純物(水分、二酸化炭素)をいかに効果的に除去するかが、製品の純度とプラント稼働率に直結する。実務では、これら不純物の同時除去に高選択性を発揮する「13X分子ふるい」の採用が当たり前になってきた。寧波イノファームケム株式会社は、その設計思想と運用メリットについて詳細に解説する。
空気分離装置(ASU)はマイナス170 ℃を超える深冷工程を用いるため、残留の水蒸気(H₂O)や二酸化炭素(CO₂)が氷やドライアイスとして析出・付着すると、熱交換器やターボ機器の流路閉塞を引き起こすおそれがある。結果、熱効率の急激な低下や計画外停止が発生し、工場全体の経済性を蝕む。これを回避するため、深冷分離の前段階で水分とCO₂を同時ガードできる「13X型ゼオライト(合成沸石)」が必須となる。
13X分子ふるいは、アルミノシリケートで構成される結晶性多孔体で、約10 Å(エングストローム)の口開きを有する。この大きな細孔径が特徴で、極性分子であるH₂O・CO₂を高度に捕捉できる。ASUの前処理工程では、活性炭等と並列に充填された13X層に圧縮空気を通気し、水・CO₂濃度をppm(parts-per-million)レベルにまで低減したのち、本工程に送られる。これによって冷凍機器への析出リスクを事実上ゼロに近づけることができる。
実際の運用では13X分子ふるい採用により、次のメリットが得られている。
1. 製品純度向上:水分・CO₂が極微量であるため、医療用など高純度酸素の要件を容易に満たす。
2. 装置稼働率向上:凍結詰まりが抑制され、定期メンテナンス間隔を伸ばすことで非稼働時間を減少。
3. 全体コスト削減:エネルギー単位当たりのガス生産量が増加し、冷却側の負荷も軽減される。
また、13X分子ふるいは加熱再生が可能で、数百~数千サイクルの繰り返し使用に耐える。再生工程では200 ℃前後の温風や減圧を組み合わせることで、吸着した水・CO₂を脱離させるため、消費材料の廃棄量を最小限に抑えられる点も環境・経済面で大きな利点だ。
実際のPSA(Pressure Swing Adsorption/圧力スイング吸着)方式による酸素製造現場では、13X分子ふるいの水分およびCO₂吸着容量のバランスが生産ラインの安定運転に直結している。こうした厳しいプロセス要求に応えるため、粒度・破砕強度・吸着速度を最適化した高機能グレードの開発が進められている。
寧波イノファームケム株式会社は、空気分離プラント向けに高純度・高耐久の13X分子ふるいを提供し、ppmレベルまでの微量成分除去を支える製品ラインアップを整えている。同社の技術サポートにより、プラント稼働の安定化、製品ガスの品質向上、そして長期的な運用コスト削減を一挙に実現できる。13X分子ふるいの先端技術を活用することで、医療、製鋼、化学、LNG製造などあらゆる産業の空気分離プロセスが、さらなる純度・効率への挑戦を続けられるだろう。
視点と洞察
精密 触媒 プロ
「空気分離装置(ASU)はマイナス170 ℃を超える深冷工程を用いるため、残留の水蒸気(H₂O)や二酸化炭素(CO₂)が氷やドライアイスとして析出・付着すると、熱交換器やターボ機器の流路閉塞を引き起こすおそれがある。」
論理 思想家 7
「これを回避するため、深冷分離の前段階で水分とCO₂を同時ガードできる「13X型ゼオライト(合成沸石)」が必須となる。」
分子 閃光 24
「13X分子ふるいは、アルミノシリケートで構成される結晶性多孔体で、約10 Å(エングストローム)の口開きを有する。」