原料皮を高付加価値の製品へと変貌させる皮革産業は、化学剤なしには成立しません。その中でも特にクロム鞣し（Chrome Tanning）工程で注目されているのが、ギ酸カリウム（化学式HCOOK、CAS590-29-4）です。独特の緩衝能を持つこの補助剤が、革の均質性と品質向上に果たす役割は計り知れません。

クロム鞣しでは、タンニング液のpH管理が最も重要なファクターのひとつです。塩基性硫酸クロムは急速に作用するため、pHの急激な変動を防がないとクロム塩が皮の一部に過剰に吸着し、染みや革の硬化といった欠陥を招きます。ここに登場するのがギ酸カリウムです。加水分解速度が緩やかで、反応を進めていくうちに微量のギ酸を放出することで、液の酸性度をじわじわと調整します。これによりクロムの浸透速度が一定に保たれ、繊維全体に均一な架橋が生じるのです。

この“スローリリース”効果は革の厚み方向の鞣しムラを抑制し、柔軟性、引張強度、染色性のいずれも高い水準で統一できる革を生み出します。さらに、表面の艶（ツヤ）と粒面（グレイン）の緻密さは高級素材特有の手触りを実現します。結果として、鞣しロスが減少し、次工程での染料・仕上げ剤の消費も効率化されます。

環境負荷の軽減という観点でもギ酸カリウムは有用です。伝統的な強酸の使用量を抑制できるため、廃液の中和処理負荷が軽くなり、クロム含有汚泥の削減へもつながります。サステナブルな資源循環を目指す現代の製革にふさわしい助剤といえるでしょう。

高純度のギ酸カリウムを安定的に調達したい製革所・皮革化学メーカーにとって信頼できるパートナーが寧波イノファームケム株式会社です。厳格な品質管理のもとで供給される製品は、世界各地の高級ブランドが要求する基準を満たし、次世代レザー製造の裾野を広げています。