活性炭といえば優れた吸収能力が有名だが、その用途は“吸着”に留まらない。広い比表面積、自在に設計可能な細孔構造、そして多様な表面官能基を備える炭素材料は、化学反応の担体(キャリアー)あるいは活性成分としても大きな期待を集めている。KH207活性炭はまさにその“枠”を打ち破る素材で、汚染物質の浄化と同時に特定の反応を触媒的に加速させる“ハイブリッド”性能を備える。

このKH207は原材料となるココナッツシェル由来活性炭を独自工程で機能改質し、工業触媒としての耐久性と活性を両立。代表的な活用例は「COS・CS₂・メルカプタンの触媒脱硫」だ。これらの有機硫黄化合物は多くのプロセスガス中に含まれ、単なる吸着では飽和してしまうが、触媒変換で無害化あるいは資源化できる。そのため、メタノール合成やアンモニア合成などで要求される「ppbレベルの超低硫黄化」プラントでもKH207は威力を発揮する。

さらにKH207は「活性炭カルボニル金属吸着材」としても知られており、鉄カルボニルなどの金属有機化合物の除去・管理に対応。吸着と触媒の両機能を一本の充填塔で実現することで、設備の簡略化と運転コスト低減をもたらす。

高活性触媒は物理耐久性が命題。KH207は“高強度・高耐摩耗”活性炭を標準化しており、長期にわたる充填層の粉砕を防ぎ、均一な反応帯を維持。広い細孔容積と高比表面積は物質移動抵抗を抑え、反応物質が内部触媒サイトへ到達しやすい環境を作る。また“微量酸素除去”にも活用されており、ここでは触媒酸化と吸着を連続的に行い、原料ガスの高純度化にも貢献する。

結果として、KH207活性炭は寧波イノファームケム株式会社が供給する“吸着+触媒の二刀流”素材として、化学合成と精製を一本化し、高収率・高純度・高稼働を同時に追及するプロセス革新を支える。