寧波イノファームケム株式会社は、モレキュラーシーブ選定に悩むエンジニアや調達担当者に向け、「品質」と「コスト」という二つの軸で最適な調達を実現するための考え方と事例を公開する。高性能アドソーベントを導入する際は、単なる単価比較ではなく、材料が生み出す「プロセス価値」を見極めることが不可欠であるという。

価格を左右する主な要因は次の3点に集約される。1つ目はタイプ選択だ。一般的な3A・4A・5A、10A相当、13Xはもちろん、特殊変成品まで、それぞれ原料組成や合成行程が異なり、当然価格帯に差が生じる。微細な細孔径制御や独自骨格改質を施したグレードは、工程難易度が高まるぶんコストは上昇するものの、高純度化が要求される用途には費用対効果が高い。2つ目は粒子形態である。均一粒径のペレットや流量設計最適化済みの球形タイプは、充填層での偏流を防ぎ圧損を下げられるため、汎用造粒品と比べてプレミアムが付く。3つ目は純度と吸着容量だ。高純度品は吸着速度・容量ともに優れ、サイクル時間短縮や品質向上へ直結する。つまり「高コスト=不利」ではなく、プロセス条件にマッチしたスペックを選ぶことで無駄な機能を落として単価を下げることが可能になる。

当社では年間の生産工程見直しを通じ、コスト歩留まり向上を継続的に図りながら高品質を維持し、市場競争力のある価格を提示している。ガス乾燥用のベーシックグレードから、精密化学分離向けの高機能グレードまで、用途と予算に応じたラインナップを揃えることで、多様なニーズに応える。

コスト最適化を考える際に見落としやすいのが、導入後の「総保有コスト(TCO)」である。再生回数耐性の高いタイプを選べば交換頻度が下がり、サイクル当たりのランニングコストは大幅に低減する。また、一段階で高純度を達成できるアドソーベントは、後工程の精製器小型化やエネルギー使用量削減にも寄与し、結果的に全工程のコストダウンにつながる。

当社の技術チームは、顧客が所有するプロセス情報を基に最適グレードと条件を提案し、試験データと経済評価シートを合わせてご提供。そのうえで「単価」+「寿命」+「生産性向上効果」を三つ巴で評価し、明確なROIを示すことで、確実なコスト削減につなげる。モレキュラーシーブの価格メカニズムを理解し、材料が生み出す「真の価値」を追求することが、産業の効率化と収益性向上の近道である。