工業プロセスにおける効率的な脱水・乾燥を実現する上で、モレキュラーシーブの選択は極めて重要です。特に3A型と4A型は代表的な製品だが、細孔径の違いにより用途が大きく異なる。

3Aモレキュラーシーブは約3オングストロームの細孔径を持ち、水分子だけを選択的に吸着し、エタンやプロピレンなどの不飽和炭化水素よりも大きな分子を通さない。アセチレンやエチレンのようなクリーンガスの脱水はもちろん、メタノール・エタノールなどの極性溶媒からの水分除去でもその高い選択性が発揮され、付加価値のある成分を損なうことなく乾燥が完了するため、石油精製や石化プラントでの採用が増えている。

一方、4Aモレキュラーシーブは約4オングストロームの細孔径により水、アンモニア、二酸化炭素を広範囲に吸着できる。飽和炭化水素ストリームの乾燥にも使えるが、分子サイズによる排除効果は3A型ほど高くない。このため、医薬品・電子部品の包装内で行う静的水分管理、印刷インキやプラスチック製造時の水スカベンジャーなど、より汎用的な乾燥用途向けと言える。両製品の特性を把握することで、各工程の効率を最大化し、高品質な脱水・精製プロセスを実現できる。