東京 2024年6月――殺菌消毒の定番「ポビドンヨード(PVP-I)」は、なぜ単純なヨード溶液よりも皮膚刺激性が低く、持続的に抗菌力を発揮できるのか。その秘密は分子構造にあります。実製造を手がける寧波イノファームケム株式会社が、複合体形成の化学メカニズムを解説します。

PVP-Iの核心は、ポリビニルピロリドン(ポビドン)が巨大なキャリアとなってヨードを包み込んだ「緩徐放出錯体(コンプレックス)」にある点です。水に溶けるとポビドンがヨード分子をゆっくり解放し、遊離ヨード濃度が急激に上昇することを防ぎます。その結果、強力な抗微生物作用を維持しながら、皮膚や粘膜への刺激を抑えるという両立不可能と思われた課題を解決しています。

この緩徐放出機構は、複合体が溶解するたびに一定量のヨードのみを遊離させるため、持続的な殺菌作用を約24時間発揮。また、遊離ヨードが微生物の酵素系や細胞膜を直接破壊するため、グラム陽性菌・陰性菌、真菌、ウィルスに対して幅広いスペクトルで有効です。

高い化学安定性と水への優れた溶解性を背景に、PVP-Iは外科手術前の皮膚消毒薬、創傷被覆材、うがい薬、各種医療機器の殺菌剤として、世界で年間数億回使用されています。

製造面では、ポビドンとヨードの比率管理、乾燥・粉砕工程の温度管理が錯体形成の完全度を左右します。寧波イノファームケム株式会社では、USP・EPを上回る内規を策定し、ロットごとに遊離ヨード濃度、ポビドン分子量分布を徹底チェック。高品質な原薬を、革新的かつ競争力のある価格でグローバル市場へ供給しています。