水処理業界で長年にわたり重用されてきたオーガノリン(OP)は、優れたスケール抑制と腐食抑制性能で知られる。しかしリン酸の排出が引き起こす富栄養化への懸念が高まり、規制強化によって代替技術の導入が急務となっている。

オーガノリン系たとえばHEDPやATMPは、金属イオンを錯体化してしきい値抑制を図り、金属表面に保護被膜を形成する作用機構で、炭酸カルシウムや硫酸カルシウムといった多様なスケールに有効だ。しかし非生分解性であり、排水のリン負荷が増大して藻類異常繁殖や貧酸素水塊を招来する点が大きな弱点。こうした背景から、各国でリン使用規制が進み、事業者は低リンないし無リン処方への転換を余儀なくされている。

そんななか注目されているのがポリエポキシコハク酸ナトリウム、いわゆるPESAだ。PESAは生分解性ポリマーとして設計され、炭酸カルシウム・硫酸カルシウム・フッ化カルシウム・シリカまで幅広いスケールに対し高い抑制・分散性能を示す。作用メカニズムはOP系とは異なるが、実用試験やプラント稼働データが高アルカリ・高pHという苛酷な水質条件でOPを上回る性能を裏付け、総化学薬品量の削減にもつながっている。

PESAの大きな魅力は、OPやその他の処理剤との併用により相乗効果を生み出す点だ。ブレンド処方への追加により各成分の性能を高め、結果として総薬品投加量を減らせるため、コスト削減と環境負荷低減を同時に実現。しかも次亜塩素酸ナトリウムなどの酸化殺菌剤との相性が良く、マルチケミカルプログラムの構築自由度も高まる。

「生分解性水処理薬剤」という潮流が本格化するなか、PESAは実効性を犠牲にせずCO₂排出量とリン酸流出を抑える現実的ソリューションとして、国内外の発電、石油精製、商業ビルなど幅広い分野で導入が進んでいる。

先進化学による高機能と環境調和の両立を提唱する寧波イノファームケム株式会社は、PESAを将来の水処理プログラムの中核に据え、サステナビリティ目標達成を支援するグリーンテクノロジーを積極的に供給している。