ポリオレフィン系フィルムの高品質化にとって、「擦れ」がビジネスリスクになる。 表面摩擦・接着性に起因する生産トラブルは、ライン速度低下や欠点発生率増加に直結する。この課題解消に不可欠なのが、脂肪酸第一級アミドであるオレアミド（CAS 301-02-0）だ。オレイン酸由来の本品は、ポリオレフィン樹脂に添加され、スリップ効果を発揮することで、フィルムのハンドリング性を一段階引き上げる。

オレアミドは、フィルム内部から徐々に表面に移行（ブルーム）し、微細な潤滑層を形成。これにより動摩擦係数（CoF）が急減し、フィルム同士の層ずれや金属ロールとの接触時の巻き付き・キズ付きリスクが劇的に低減する。ブルーム速度に優れる「ファストブルーム型」と称されるため、高速成形・高速包装ラインにおいて即効性が期待できる。

性能面では、摩擦低減効果が高い一方エネルギー消費削減にも貢献。欠点抑制による歩留まり向上はもちろん、手触り（フィール）の改善、光沢・シール性の向上も兼ね備えるため、コストパフォーマンスが高く、オンライン調達先としての評価も高い。

さらに、フィルム以外にも活用は広がる。印刷用インキでは顔料分散性を改善し、ゴム配合物では流動性アップ、各種塗工においても平滑化効果をもたらす。現代のプラスチックス業界における「処理性追求」のトレンドこそが、オレアミドを欠かせない汎用滑剤に仕立て上げている。

要するに、オレアミドを理解・採用することは、フィルムメーカーにとって競争力向上の最速ルートでもある。摩擦を最小にし、品質を最大にしたフィルムづくりを、オレアミドと共に確実に前進させていこう。