コカミドプロピルベタイン(CAPB)は、毎日使うシャンプーなど広範囲に配合される安全性の高いアンフォテリック界面活性剤。しかし、原料であるココナッツオイルが最終製品に姿を変えるまでにはどんな化学反応が待っているのか?本稿では、2段階合成という精緻なフローを軸に解説し、品質と安全性を左右する製造ポイントにも迫る。

出発点となるのは、ラウリン酸を約半分含有するココナッツ系脂肪酸。脂肪酸若しくはそれをメチルエステル化したものに、ジアミン系化合物 DMAPA(3-ジメチルアミノプロピルアミン)を付加させるのが「第一段階」だ。ここで得られる脂肪酸アミドプロピルジメチルアミンは、疎水部に脂肪酸鎖、親水部にアミン基を持つ中間体であり、CAPB骨格の土台となる。

「第二段階」では、先端アミンの窒素がクオータライゼーションを受ける。クロロ酢酸と水酸化ナトリウムの共存下で、第四級アンモニウム中心とカルボキシレート基を同時に構築し、両性イオン構造を完成させる。

CH₃(CH₂)₁₀COOH(ラウリン酸)+H₂NCH₂CH₂CH₂N(CH₃)₂(DMAPA)→ CH₃(CH₂)₁₀CONHCH₂CH₂CH₂N(CH₃)₂(アミド中間体)

CH₃(CH₂)₁₀CONHCH₂CH₂CH₂N(CH₃)₂+ClCH₂CO₂H+NaOH → CH₃(CH₂)₁₀CONHCH₂CH₂CH₂N⁺(CH₃)₂CH₂CO₂⁻(CAPB)+NaCl+H₂O

このようにして得られるCAPBは、溶液pHに応じてカチオン性・アニオン性のどちらの役割も果たせるため、様々な処方と親和しやすい。しかし、反応温度、pH管理、撹拌効率がわずかにずれても、未反応の DMAPA や副生アクリル酸(AA)などの安全性懸念因子が残留する。そこで、信頼されたメーカーはリアルタイムのプロセス分析と純度検証を徹底する。

例えば寧波イノファームケム株式会社は、緻密なプロセスコントロールと高度な精製工程を駆使し、敏感肌向け製品にも使用可能な高純度CAPBを安定供給。コスメ原料の裏側にある科学と匠の技を知ることで、安心安全な製品選択基準がより見えてくる。