パーソナルケア製品をつくる際に最も難しいのは、「効果」「使用感」「低刺激性」の3つを同時に満たすことだ。コカミドプロピルベタイン（CAPB）は、まさにこの3拍子を実現する裏の主役として、フォーミュレーターに広く信頼されている。

低刺激シャンプー&コンディショナーへの活かし方

シャンプー処方におけるCAPBの役割は多面的だ。1次界面活性剤との併用で泡立ちを増し、洗浄体験を格段に向上させる。また、強い界面活性剤がもたらしがちな頭皮や毛髪の乾燥・刺激をやわらげるブッファーとしても機能する。結果、不要な皮脂だけを落としながら潤いを残す、「洗い上がりの軋み感ゼロ」のシャンプーが生まれる。さらにCAPBはコンディショニング効果も併せ持ち、指通りの良いサラツヤ髪を演出する。粘度調整にも貢献し、手応えのある適度なとろみを与える点も見逃せない。

敏感肌にも使える洗顔料・ボディソープの開発ポイント

顔やボディ用クレンザーの世界では、CAPBの「優しさ」こそ最大の武器となる。クリーミーで弾力のある濃密泡を生成しながら、皮膚バリアを傷つけない洗浄力を発揮。敏感肌・デリケート肌はもちろん、ベビーケア製品にも採用されるほど安全性が高い。高純度グレードを使用すれば、さらに残留リスクを抑え、低刺激設計を徹底できる。洗い上がりは「つっぱらない」「潤っている」を同時に叶えるため、毎日のスキンケアでも安心して使える。

相手を選ばない「併用相性」の良さ

CAPBは単独でも優れているが、他の界面活性剤と組み合わせることで性能を自在にチューニングできる。陰イオン系界面活性剤とのブレンドで泡量／泡持続性を高めたり、アンフォテリックの性質を活かしてpH域を広げることで、よりバランスの取れた低刺激処方を構築できる。配合濃度を微調整するだけで、泡立ち・増粘性・コンディショニング効果をきめ細かくコントロールでき、ターゲットに応じたカスタマイズ設計が簡単に。原料コストパフォーマンスの面でも優位に立ち、「高機能×低コスト」を同時に実現する、まさに必須のマルチウェポンだ。